大阪成蹊大学

今日は大阪成蹊大学。2月は学食がお休みだそうです。

それはさておき、お話を伺ったのは経営学部教授の大島博文先生。
以前は神戸市役所におられ、阪神淡路大震災のときに市の防災担当として災害対応・復旧・復興と奔走された方で、公共経営、都市政策、地域防災について聞きました。

これからの日本は人口減が避けられません(人口予測はもっとも「外れ」がないと言われる)。首都圏をのぞく国全体で人口が減少しており、社会や経済に与えるインパクトは、おそらくほとんどの人が想像する以上なものです。

地域によっては既に、祖父母や両親のいずれかが「日本生まれの日本育ちではない」人が増えています。今世紀の終わりには、むしろいわゆる「純日本人」は希少種となっている可能性が高い。
郊外のニュータウンはこれからどんどん寂れるところが増えるでしょう。
逆に、最近ネガティブな話題になってはしまいましたが武蔵小杉のような都心でタワーマンションが林立・密集する地域も増えていきます。人口の濃淡が今よりはっきりと見えてきてしまうというわけです。
たとえ兵庫県尼崎市といえば、ダウンタウンの故郷であり、ご本人たちも「アマ」と呼ぶ響きには若干自虐的なものがありました。
しかし、そもそもは大阪との県境にあるアクセスの良い場所で、近年の再開発でファミリー層に人気の街となりつつあります。
尼崎市の人口が今月1日時点の人口動態調査で前年比442人増の45万1431人となり、9年ぶりに増加に転じた。土地の再開発や学力向上事業など、市が注力してきた転入促進の施策が功を奏し始めたといえる。
https://www.sankei.com/region/news/190129/rgn1901290029-n1.html
さらに、もう少し西に行った明石市も人気です。
明石市の人口は2013年以降、一貫して増加している。2017年8月には、過去最高の29万5,557人となった(2017年11月1日現在29万6,192人)。このままの増加傾向が続けば、2018年度には、同市の人口は30万人の大台に乗る。
https://www.projectdesign.jp/201801/city-pr-2017/004390.php
事業構想「本気の子ども支援策で人口増 兵庫県明石市」
神戸市はこのように尼崎市、明石市、芦屋市、西宮市が教育や医療などにリソースを集中して若年人口増に成功する中で、地力があるにもかかわらず、あまり魅力を発信できていないのが現状でしょう。
むしろ教育委員会で起きている問題など、イメージが悪くなりつつあるのが非常に心配です。
将来は人口増の自治体・人口減の自治体がさらに明確に、はっきりと分かれ、良循環なり悪循環なりのスパイラルもさらに深くなっていきます。
そこで求められる政策を考えるというわけで、やりがいもあるし、これからかなり熱くなる研究領域だと思います。
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