京都・洛星中高へ行く

今日は京都の洛星中学・高校へ取材に行った。
全国的に男子校が減り続ける中、長年にわたって京都大学をはじめとする高い進学実績を誇る京都最難関の完全中高一貫校だ。

阿南孝也校長先生よりお話を2時間ほどお伺いした後、いくつか生徒活動の会誌を見せてもらった。
驚いたのは、装丁・内容ともに彼方へ突き抜けたハイレベルだったこと。
たとえば修学旅行のしおりは、まず見開き2Pにわたって、京都駅から乗車する新幹線の構造解説から始まる(!)。
好きなことは尋常ならざる域まで凝ることを良しとされるのが男子校の良いところだろう。

 かつて洞爺湖サミットの折、修学旅行先が北海道でした。摩周湖から専用の貸し切り列車に乗る予定だったのですが、サミットで使えないと言われ、鉄道好きの彼らはガッカリするだろうと思っていました。しかし一転使えるとの情報が入り、ホッとして現地に行きました。ところが専用列車がありません。こちらは狼狽しましたが、子どもたちは平然としている。不思議に思って聞いてみたら、発車時刻に専用列車が摩周湖駅に来るには前日中にある地点に列車が到着していなければならない、という逆算があった。そこで地元の同好の士から連絡を受け、専用の列車には乗れないことを既に知っていたと言うんですね。これには驚かされました。
 他にも高校ロボット同好会は階段を自動昇降して掃除する、その名も「のぼルンバ」を開発して2016年のロボットグランプリで優勝しました。部品は子どもたちが自分で海外輸入したり、自前の3Dプリンターで製作しています。細かい指導については先輩・後輩のつながりが強いようですね。
 料理研究部もジュニア料理選手権に初出場していきなり初優勝していますが、メニューの開発だけでなく、京野菜を自ら栽培するなどのこだわりの強さが見られます。
 野球部も2016年にセンバツ「21世紀枠」の京都府推薦校、さらに近畿地区推薦校に選ばれ、大きな話題となりました。
(阿南先生のお話より——『ネクスト私学2』収録)

取材の帰り、せっかくの京都だと思い、家族へのお土産として河原町の高島屋に入っている「末富」に寄って京ふうせんを買った。
このパッケージは日本画家・池田遙邨によるもので「末富ブルー」と呼ばれ、特殊な印刷なんだそうだ(何が特殊なんだろう……。4色分解じゃなくて特色の版で印刷してますってことだろうか?)。

で、もうひとつ、10年ぶりくらいに高島屋の向かいにある◎◎屋でもお土産を買おうと思い、立ち寄った。
生麩が美味しかったはずと思って店内を見回すが、10年前とはレイアウトがまるで変わっていて見当がつかない。
 
店員さんに「生麩はありませんか?」と聞いたら、ハア?という顔をされた。
「ウチは生麩なんて取り扱いませんが」
おまえどの店と間違えてんだよ、と言わんばかりの冷たい目。
昔はあったんだっつーの。
なんというか、僕は京都出身なんだが、「おっ、京都に来たな」と実感できる小さな出来事であった(笑)。