無防備に危険地帯を歩いていた頃

サンフランシスコ中心部のバーガーキング、衝撃的な貧困さ

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10年以上前、こことはちょっと離れてるがロサンゼルスの安ホテルに泊まった。
仕事ということで、着くまでどこにあるホテルなのか知らなかった。
荷物を置いてから1人で外出して「どの建物も鉄格子が多いな」とか「中心部のはずなのに売りに出てるテナントが多すぎないか?」とか思いつつ歩いた。

後で聞いたら、そこはスキッドロウと呼ばれるダウンタウンで、麻薬中毒者、銃を持った人、ナイフを振り回す人がじゃんじゃんいる地区とのことだった。
そのときはマクドナルドに入ったんだけれども、言われてみればホームレス風の人や、ラジカセ担いで大声で歌ってる人が多いなあとは感じていたのだった(笑)。

ただ、僕の初海外旅行は大学生のときのニュージーランドで、宿泊先ではフロントの人がライフルを持っていたりして「海外とはそういうものだ」という先入観があり、本当に何も考えていなかった。
ロサンゼルスでは、油断したアジア人である僕は延々と町を歩き回った。
ゴミが風に舞っていて、ロサンゼルスって汚い街だなあとか思いながら。

なぜ歩いていたかというと、「アメリカついたよー」という絵ハガキを出そうとして郵便ポストを探していたのだ。
ところがどれだけ探してもない。
しょうがないので安ホテルのフロントで投函してくれるよう頼んだ。
フロントにいた黒人の兄ちゃんは「OK♪」と快く承諾してくれた。

帰国してから聞いたら、絵ハガキは誰にも届いていなかった。
「そんなことしても、切手を盗られるだけだよ」と、これまた後で教わった。
なるほどなあ、と思ったのだった。