神戸の現状

仕事の合間に時間があり、三ノ宮近辺を歩いてみました。

阪急三宮の北側。更地になっていて、新しいビルが建つそうです。

元・東急ハンズ。閉店しました。
ニュースで知ってましたけど、実見すると胸に迫るものがある。
昨年久しぶりに行っていたのですが、どの階に目当ての物があるか分からず、上から順に見ました。
閑散とした店内にポツポツ店員さんがいるだけで「こりゃアカンかなあ」という気はしていたのです。数年前まではあんなに流行っていたのに。

近年、特にコロナ禍以降に明らかになったのは
「駅の近くにあることがそれほどメリットでなくなった」ということですね。
ハンズは中でも「わざわざ行く必要がないが、ついでに行く店づくり」だったのが致命的でした。
イケアやニトリはわざわざ行くお客さんだらけで、売り上げは伸びているはず。

これは出版界を眺めていても分かることで、
最近いろんな雑貨系の雑誌が新商品を紹介するよりも「各ジャンルでのベスト」を並べる方に注力しています。
そのためどれを見てもほとんど同じ商品構成になっており、
買う人は悩まずそこへ一直線に行くという流れができているように思います。
すると、ハンズ的な店舗は選択肢から外れてしまうのかもしれませんね。

本通りの入り口。河南工芸社がなくなっていました。少なくとも25年以上は見ていたお店。
こちらも別の何かが入るようです。

モトコー(元町高架通商店街)。掘り出すも何も、お店がほとんどない……。
こちらは再開発は進められています。
ただ神戸市的には「再開発」ですが、各店にとったら「単なる立ち退き」ですからね。
もちろん再開発の必要性も理解しておりますが。

総じて感じるのは「歩いてる人の気を引ければ」とか「面白いものがありそうと思ってもらう」という従来のやり方・考え方が通用しなくなったど真ん中ってことでしょうね。

中国の易経に「窮変通久」という言葉があります。
「窮すれば変じ、変ずれば通ず。通ずれば久し」

あらゆるものは必ずどこかで行き詰まる。
しかし変化すれば新たな進路が生まれる。変化することで通用し、通用したものは長く続く。

そういう意味です。
行き詰まってるのに同じやり方を続けていたら、生き残れるのは最後の一匹だけ。
これまで大量消費という土台の上に全ての流通や小売が形成されていましたが、
インターネットの普及と共に色んな方面から崩れ始めました。
これから更にAIの普及で、政治・経済・教育などあらゆる場面で変化する柔軟性が必要になるのでしょう。

インターネットの功績は「知識」の平準化なのでしょうが、
コロナ禍によって強制的に「知恵」がないと追い詰められる状況になる
業界・業態がたくさん出てきたのかなと思います。