妻よ、おまえは信玄か その2

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去年のGWにパリに行っといてよかった、と言ってはなんだが。
 
なぜGWみたいな「お高い時期」に行けたと申せば、そこには妻の計略があったのである。
というのも、妻は昨年の海外旅行について、2018年夏の段階から計画を練り始めていた。
このとき、既に翌年(2019年)春にご譲位があり、平成の御代が改められることは決定していた。
 
そこで問題になるのが、2019年のゴールデンウィークはどうなるのか?である。
この時点では、4月30日、5月1日、5月2日は平日となる公算が高かった。そのため5月1日出発の便は平日設定であり、かなり安い状態だったのである。
 
そして2018年秋、妻が動いた。
「時は満ちた。来年の予約をする」
「え?早くないですか?」
「いや、今しかない。今なら宿も安いのじゃ」
そう言って電光石火の動きで飛行機と宿を押さえたのであった。その疾きこと風のごとしであった。
 
「え?でも平日だったら、私、普通に仕事ですよ?」
「林の如くしずかに、心を平らかに保つが良い」
「……」
 
それからはずっと、私は不安で仕方なかった。しかし妻は動かざるごと山のごとしであった。
そんなある日、大ニュースが流れた!
 
改元日である2019年5月1日を、その年1回限りの祝日とする特別法案が成立したのである。
見事、2019年のGWは10連休となったのであった……。
もちろん飛行機代も宿代も、一気に高騰したのは言うまでもない。
 
「すごい……。よくこうなるって読めたね?」
「大事の義は人に談合せず、一心に究めたるがよし」
「ははっ」(平伏)

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時事通信

昨年のパリ旅行についてはこちらです。