2011年9月

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大震災 欲と仁義

空き時間に読んだ本。 一冊目は荻野アンナ「大震災 欲と仁義」。 前半は副題の「欲と仁義」の仁義編にあたる。 つまり避難所で見たいい話が書いてある。 問題は後半、「欲」の部分。 避難所で起きる支援物資の私物化問題。 その中には誤解もあるし、謎のままの部分もある。 人は物事を隠されると、そこに裏があると勘ぐります。 しかし隠すには隠すだけの、やむをえない事情もある。 人間の日常は清濁いろいろあってグレ […]

クラッシュ

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昔大阪の塚本駅でアラブ人(たぶん)の親子が、切符を買わずに改札を通ろうとして、駅員に止められていた。 父親らしき初老の男性はおろおろと戸惑っていて、横の息子らしき青年は父をかばって駅員に抗議している。 しかし2人とも日本語が話せない。 駅員は切符の販売機へ2人を連れて行き、目的地を聞こうとするが、どうにも意思の疎通ができない。 そのうち父親が駅員にお金を渡したので、駅員はそれを自販機に入れようとす […]

ROCKER 40歳のロック☆デビュー

こういう楽しさって久しぶりだなあ、と思いました。 全編、妙な多幸感にあふれた映画です。 大手レコード会社とのメジャー契約と引き換えに、 ロックバンド「ベスヴィオス」から1人追い出された哀れなドラマーが主人公。 20年を経て、ベスヴィオスは超ビッグバンドに。 かたや主人公は失業してニート状態。 しかし高校生の甥に頼まれて新バンドに加入する、というお話。 古き良きロッカーとしてふるまう主人公と、 クー […]

薔薇の名前

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昔観て寝落ちしたため、再度挑戦。 やはりその時々の相性があるのだろうか。 今回は眠いどころか、わくわくして観た。 1300年代のイタリア。 修道院という男だけの閉じた世界で、奇怪な連続殺人事件が起きる。 この謎を解くのがイギリスからやってきたショーン・コネリー。 それにしても、中世ヨーロッパだけは絶対に住みたくない。 薄暗くて不潔でじめじめして、治安悪くて、 ろくな食べ物がなくて、疫病が流行して、 […]

オー!マイゴースト

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これは面白かった。 人間嫌いの偏屈歯医者が一時的に「死んだ」ことで、 幽霊とコミュニケーションを取る能力を得てしまう、というコメディ。 幽霊とは皆、現世に心残りがある者たち。 アメリカ人にも「成仏しきれぬ」という概念があるんだな。 (本作では、真実はそうではないことが明らかにされるが) 幽霊たちは、主人公に話を聞いてもらおうと殺到、 そこらじゅうのべくまくなしに話しかけられまくる。 反論すると、周 […]

ブラック・スワン

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これは怖くて、痛い映画。 単純にホラーなシーンもあるが、そういうストレートな意味ではなく、精神的な方。 演劇にかぎらず、何かしら「表舞台」に立とうとして行き詰まった、 限界を感じた、打ちのめされた人に深く突き刺さるような棘がある。 でもそれって、立ったことのない、その世界に真の意味で入門したこのない人には絶対に判らないことでもある。 なりたい自分、なれない自分。 外に見える自分。他人からは見えない […]

奇人たちの晩餐会USA

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これはつまらない。 原作のフランス版が好きで、つい観てしまったが面白くない。悪いリメイク。 もちろんクスッと笑うくらいのことはあるが、特大のため息をつくシーンの方が多かった。 今回、ジャケットにも写っているハリウッド版のスティーブ・カレルの、 「ほら見て、うふ、えへ、ねえねえ、僕の面白い顔、えへえへ」 みたいなわざとらしい表情を見て大いに不安を覚えたが、不安を覚えるくらいなら観なきゃよかった。 オ […]

星を継ぐもの

月面調査隊が、真紅の宇宙服を着た死体を発見。 チャーリーと名付けられたそれを調べると、死後5万年以上たっていた。 外見は人間と変わらない。これは一体? 中学生時代に本作を読んだアホの私は、「ページが真っ黒で難しくてわかんな~い」と、 読むには読んだがほとんど頭に入ってなかったのだった。 先日3時間ほど電車に乗る用事があったため、 時間つぶしになると思ってカバンに放り込んだ。 それで読み返すと、めち […]

イースタン・プロミス

ロンドンの病院に運びこまれる身元不明のロシア人少女。 少女は出産して息を引き取る。 助産師アンナは少女の日記を頼りに彼女の身元を割り出そうとするうち、 ロシアン・マフィアの運転手を務めるニコライと出会う、というお話。 ヨーロッパのやくざ映画と言おうか。 「ロンドン番外地」とか「ヨーロッパ残侠伝」とかつけるといいのかな。それじゃ観ないか。 全編、主人公ニコライ(ヴィゴ・モーテンセン)の男の魅力が爆発 […]

毎日かあさん

西原理恵子のエッセイコミックを映画化。 漫画家のサイバラと、元戦場カメラマンの夫。 夫はアルコール依存症から入退院を繰り返し、ついには死を迎えるまでのお話。 前半「ダメ親父」だった夫が、後半本当に「親父がダメ」になってしまう。 笑った分、悲しみの揺り戻しが来ます。 全体的な骨組みは、以前観た『酔いがさめたら、うちに帰ろう』と同じです。 実話だから当たり前ですが、あちらは夫(鴨志田穣)の原作ですから […]

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