ストリートカー・サバーブ
- 2024.09.04
- 外出・旅行
昨日は西院でお仕事でした。
嵐電(京福電鉄)に乗ったところ、自分以外はほぼ外国人観光客。
路面電車のルーツは、ヨーロッパやアメリカで市内を走った乗り合い馬車です。
で、馬車を効率よく走らせるため、レールを引いたのが馬車鉄道。
それが電気モーターに取って代わった。
日本では大正時代、道路上なので大規模な用地買収がいらず、比較的簡単な設備で開通できることから軌道路線網が急速にのびました。
アメリカでは、電車が伸びた郊外に遊園地を設け、電車の通る道路沿いに新しく家が建ち、郊外型の住宅街が形成されました。
これを「ストリートカー・サバーブ」と言います。
阪急電車の歴史は完全にこの考え方ですよね。
ヨーロッパの場合は、古くからの町の構造を大切にしますので狭い道が多く、それを高密度に使う必要から路面電車が発展しました。
日本も戦前は多くの都市で路面電車が走りましたが、東京オリンピックに伴う政府方針で廃止・縮小となり、たとえば大阪市は千里万博の前年に市電を全廃しました。
今では、大阪府内で唯一、阪堺電車が細々とがんばってます。
しかし世界的には、特に欧米での路面電車は結構残ってる。
むしろ新設してるくらい。
◎乗降に階段やエレベーターを使わずにすむ
◎高架上や地下を走らず、停留所間隔が短く、気楽に乗って気楽に降りられる
◎客室床面が低く、高齢者の方も障害を有する方も楽に利用できる
といったことで、都市に適した交通として環境福祉、経済性、都市アイデンティディ、ランドマーク性などから、路面電車という選択肢がある。
実際、サンフランシスコのケーブルカー、リスボンのトラム28、メルボルンのシティサークルトラム、香港のトラムオーシャンズなど、路面電車が地域経済に貢献している例はたくさんあります。
ただし収益はどれも大赤字です。
しかし町全体としては、土地の価値が上がるなど利益が出ます。
総合的な判断というやつです。
実際に僕が乗った嵐電は、ほとんど外国人観光客だったわけで。
まあ、海外がどうこうと言わずとも、国内でもこういう「宝石」を磨いて、時代のニーズにあわせながらうまく活用してくれるといいなと思います。
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