伊藤計劃『虐殺器官』

伊藤計劃『虐殺器官』

前から読もう読もうと思っていて、やっと読み終わった。

近未来。主人公は米情報軍の特殊部隊員。
先進諸国は徹底的な管理体制でテロを一掃するが、途上国の内戦や大規模虐殺は急増。
その混乱の陰には、常にひとりの男がいた。
大量殺戮を引き起こす“虐殺器官”とは?というお話。

前半は眠かったが、後半はぐいぐいと。
つい10年ほど前まで「第3次世界大戦」という言葉が割とリアリティがあった。
どうも最近は、殴り合うのは「国家ではない何か」ではないかという、得体の知れない不安がある。
つまりコントロールや統制が効かず、争いが始まったが最後、それを終了なり裁定なりさせられる存在がなくなるんじゃないかという。

その辺の絶望感を、日本アニメ的な設定とハリウッド的な盛り上げ、それを覆い隠す衒学趣味でまとめたといおうか。後半は、読むのが止まらなかった。
本好きな人はとっくに読んでるんだろうと思うが、面白かった。

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