親はウザいと言うけれど

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世の10代は言う。「なぜ親はあんなにうざいのか」と。
子のために日々心を砕き、また無償の愛をささげている親に対しあまりに無体な物言いだとは思うが、ただ子が世間知らずで苦労知らずで愚かゆえとも言えない。
親の物言いにだって問題はある。
わかりやすく言う。まず親の例を書く。
「最近、学校はどうだ」
「別に」
「勉強をちゃんとしているか」
「やってる」

「今しかできないことがあるんだから、ひとつひとつの出会いを大切にして、ちゃんと勉強しないといけないぞ。わかってるか」

「わかってるって」

「なんだかんだ言って、世間は学歴でしか人を見ない。変なクラスメートとはつきあうな。おまえは勉強だけしてればいいんだ。おまえを思って言ってやってるんだ。とにかく勉強しろ!」

「あーはいはい」
→自室に逃げ込む。
これを逆にして言い換えてみよう。
子供にこう言われたら、どう思うか。
「最近、会社はどうよ」
:これくらいは、まだいい。

「仕事、ちゃんとやってんの?」

:こうぶしつけに言われると、どんな大人でもムッと来るだろう。
「今しかできないことがあるんだから、ひとつひとつの出会いを大切にして、ちゃんと仕事しないといけないよ。わかってる?」
:いや、重々判ってはおるんですが。改めて言われても。
「なんだかんだ言って、世間は地位でしか人を見ないよ。変な同僚とはつきあわないで。父さんは仕事だけしてればいいんだよ。父さんを思って言ってあげてるんだからね。
とにかく仕事しろよ!

あーはいはい、である。
早く風呂にでも入って、布団をかぶってふて寝のひとつもしたくなるであろう。
いくら話題がないからといって、漠然とした、それでいて解答に努力の要する質問をするからいかんのである。
もしシャレの効いた子供であれば、こう言い返してくれるかもしれないが、子供は子供であるからそうもいくまい。
というか子供がこんなこと言いだしたら、親はブチ切れてしまうかもしれないな。
子どもと違って、親は自分で悟るしかない。