島根大学

島根大学

先週の鳥取大学に続き、今日は島根大学。心配していた降雪もなく快晴。
それにしても島根は鳥取より遠い。神戸からだからあたりまえなのだが、そういうことではないんだなあ。
学食のメニューが鳥取大学と非常によく似ていて少し驚いた。

目的は、計算機システムネットワークと建築計画学についてのヒアリング。
計算機システムネットワークは主にセンサーデバイスについてで、たとえばiPhoneには6軸のジャイロセンサーが搭載されている。
1970年代、F-15に搭載されたジャイロは100キロくらいの重量があり、値段も数億という代物だった。
しかし今では手のひらどころか指先くらいのサイズで、値段もペットボトルのジュースくらいでしかない。
電子部品屋でひとつ数千円あれば揃うような構成で、たとえば農園の温度・湿度・照度・気圧などを年中把握するセンサノードを作ることもできる。

東日本大震災の時、大手自動車メーカー各社が協力し、地震直後に通行可能なルートを地図上でリアルタイムに表示するサービスを立ち上げたことがある。それはカーナビの位置情報を集計することで「どの道が通れてどの道が通行不能か」を可視化したのだが、センサーを使えばさらに複雑な分析ができるようになる。
最近は知育玩具にまでコストダウンできているドローンも、センサーの塊だ。
そういったことで現在とは桁違いの量のセンサーデバイスによる分散協調を制御する技術が確立することで、未来のあらゆる産業構造がどう変わっていくかということを聞くことができた。仕事そっちのけでわくわくするお話でした。

次に建築計画学。ローマ帝国時代ヴィトルヴィウスの言葉で「用・強・美」というものがある。
建築は用(機能)と強(構造)と美(美しさ)という三要素でつくられており、どれが欠けても価値を失う。
もちろんそれらに求められることは時代と共に変遷するので、その時代時代で「いかに使われるか」を考慮する必要がある。
すると建物単体としてのデザイン(外観の装飾という意味でなく、中にいる人の動きに合わせた問題解決の集合としてのデザイン)だけでなく、立地する気候や地勢といった風土、人々の動きとその背景を形作った歴史、生活様式や人口動態、果たす機能とそこから得られるフィードバックにかかわる心理学、もちろんその場所で作る材料コスト、あるいはそれを求める人々の政治的駆け引きまで、およそ一般に知られる「建設」から離れた要素が絡んでくる。
それらの知見を現実にどう落とし込むかというお話で、これまたわくわくさせられることしきり。

この仕事、ほとんど私にとっては趣味になってきている。
あと松江駅などで気づいたのですが、驚くほど肌のきれいな中高生(男女問わず)を何人も見た。これも気候風土か。