映画『1917』は大傑作

映画『1917』は大傑作

はじめに

映画「1917」、公開初日となる2/14に観てきました。
非常に簡単に言うと、コリン・ファースとベネディクト・カンバーバッチの間を若者がダッシュする話です。

主要キャストがほぼイギリスの俳優で、アメリカ映画という感じはあまりしません。ただ技術力が凄すぎるのでさすがハリウッドだなと。

1917年ということは、第1次大戦も後半。
公式サイトのストーリーを読むと、

「1917年のある朝、若きイギリス人兵士のスコフィールドとブレイクにひとつの重要な任務が命じられる。それは一触即発の最前線にいる1600人の味方に、明朝までに作戦中止の命令を届けること」

1917年で攻撃中止ということはパッシェンデール(第三次イープル)だろうか、などと想像していたのですが、そういうことではなかったです。
ちなみにこの戦いは、3万人がたったの900メートル幅に殺到して攻撃し、1.3km前進できた代償として3日間で2万人が死ぬという、本当に地獄のような戦いだったんですけど。

劇場へ

TOHOシネマズ梅田に行きました。
館内にコロナウイルス保菌者がいたら嫌なので、原研謹製のマスクでウイルスを防ぐ(笑→でも本気)。

本編

さて、作品はなんと言ってもほぼ1カット(に見える。厳密には2カットだけど)の映像。
第一次大戦の西部戦線での塹壕戦という、人類史上でも一、二を争う悲惨な戦いの現場をほんとに体験してるような迫力。
異次元の没入感。
「映画」というもの自体のレベルを一段上げた感じがする。それだけでもう感動的でした。

なんといっても、塹壕戦を最新技術で描いている点だけでも必見。
ソンムの戦いなどに関するいろんな資料を読んで、「こういう感じだったんだろうか」と想像していた画がそのまま出てくる。

途中、主人公が地下室に逃げ込み、潜んでいた女性に救われる。女性は両親を失った赤子を匿っている。

その赤ちゃんの小さな手が、今にも消えそうな明かりの下で主人公の手をそっと握るシーンがあって、もう涙が止まらんかった。
僕たちのいる世界は、光と闇が二分してるんじゃなくて、実は闇しかない。でもその暗闇の中で、崇高な人間の魂が小さな光を放っている。

主人公はイギリス兵。ということはBEF(英国遠征軍)。しかもあの「ソンム」の生き残りという設定がさらっと語られる。
その主人公がラストで1枚の写真を見る。
第一次大戦のことを知っている人なら、この設定の持つ意味が胸に迫ってくるはず。
スタッフロールに書いてあったけど、監督のサム・メンデスがお祖父さんから聞いた実話が元になってるらしい。

全編が神業。いや、もう神。
これは映画館で、それも画面の大きいところで観るべき作品。

ちなみに私はこういう環境で見ました。