ジェネラル・ルージュの凱旋

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もうすぐ上映が終わってしまうタイミングなんですが、
プロデューサーの方から招待券をいただいたので、観に行ってきました。

前作を観てなくても、特に問題なく楽しめました。
救急救命センターを舞台にしたミステリー。

センター長・速水の別名は、ジェネラル・ルージュ(血まみれ将軍)。
といっても謎解きはしょうもない(失礼)もので、おそらくこの映画の見所は、事件解決後にやってくるクライマックスの場面でしょう。

大学病院内でのごちゃごちゃした内輪もめの後、近隣での爆発事故という大惨事が起きます。
次々と重傷患者が運びこまれ、病院は医療関係者たちの戦場に。

普段の確執を超え、医師、看護師、事務方が一丸となって人々の命を救おうとする。
一時的に病院内の全指揮権を委ねられた速水の姿は、まさに「ジェネラル」。

かつての阪神・淡路大震災のとき、電力が失われた暗闇の病院で、懐中電灯を使って血まみれになりながら救命医療を続けていたお医者さんたちを思い出します。
そこには絶望を突破する「意思の力」があったように感じました。

人が、理性や利害、地位や名誉、その他さまざまな自らを縛る制限を超えて、目の前にある正義や善なるものを選びとるとき、そこに感動があるのだと思います。
そして何より、「人間が生き残ること」。そのために全員の意思が統一される。これに勝るものはありません。

映画は、ラストになって「ジェネラル・ルージュ」の本当の意味が明かされます。
速水は超人などではなく、誰とも変わらない人間のひとりにすぎません。
すごい人がすごいことやってる、のではなく、私たちと同じ「ただの人」が理想や信念をつかみとろうと、毎日もがき続けてきた。
そのことを表現するいい場面でした。
面白かったです。