はやぶさの軌跡
- 2010.06.13
- 雑記
探査機「はやぶさ」が射出したカプセルが、本日深夜、オーストラリア南部のウーメラ砂漠に着地(着地想定区域は長さ約200キロ、幅約20キロ)します。
「はやぶさ」は2003年5月に地球を出発、
2005年11月に小惑星イトカワに到着、
数回の失敗を経て満身創痍になりながらもタッチダウンに成功し、イトカワ地表のサンプルを収集(本当に収集できたかはカプセルの中身を見るまでは不明)。
その後、世界初となる小惑星からの離陸に成功し、地球への帰還軌道に入りました。
今月5日、帰還コースの軌道修正に成功。
12日9時、地球まで71万6000キロまで接近。
13日16時頃、 内の浦上空(7年前に「はやぶさ」が旅だった場所)を通過。
距離約15万キロ。
19時51分にインド北部の高度約7万キロでカプセルを切り離し、22時51分、大気圏へ再突入。
「はやぶさ」本体はここで最後の小惑星突入シミュレーションを行い、燃え尽きてその生涯を終えます。
22時52分より、はやぶさとカプセルは流れ星のように輝き始めます。金星なみの明るさだそうです。
30秒後、「はやぶさ」は爆発して溶解消滅。
以下は、はやぶさの軌跡が判る動画(2010年3月までの状況)。
探査機「はやぶさ」の軌跡 舞-HaYABUSA ~Falcon of phoenix ~(前編)
探査機「はやぶさ」の軌跡 舞-HaYABUSA ~Falcon of phoenix ~前編
探査機「はやぶさ」の軌跡 舞-HaYABUSA ~Falcon of phoenix ~(後編)
探査機「はやぶさ」の軌跡 舞-HaYABUSA ~Falcon of phoenix ~後篇
しかしなぜ、どうしてこんなに「はやぶさ」は私たちの心の琴線に触れるのでしょうか。
傷だらけになりながら、到底私たちには把握できないほどの距離を超えて帰ってくる、しかも地球を目の前にして消滅していく。
確かカントだったと思いますが、「崇高」という感情は、人間が把握できないほどの質量や強大な力を前にした時に湧き上がるものなのだそうです。
きっと私たちは「はやぶさ」の姿に、崇高さを感じているのではないでしょうか?
今日の夜は、各所で「オカエリナサト」(『トップをねらえ!』最終話ラストシーン)が見られることでしょう。