7月に観た映画まとめ
先月から毎日1本ずつ映画を観ることにした。
最初の7月分は以下。
ペルシャ猫を誰も知らない
イランの若者たちを描く青春群像劇。ちゃんと物語はありますが、ほとんどドキュメンタリーのような映画。片田舎で純真な少年が、みたいな「よくある中東映画」とは違います。
西洋音楽が厳しく規制されているイランでは、ロックは純粋に「俺たちには叫びたいことがあるんだ!」というメッセージを表現する手段。けれど許認可や検閲の壁があって、本当に言いたいことが表現できない。
西洋化には当然キリスト教の浸透がついてくる以上、イラン政府のやり方を一概には責められません。しかし自由を求め、やりたいことに向かって疾走する若者たちの日常、そして現実は、それを映し出すだけで充分すぎるほどドラマチックだし、その姿はまさに「ロック」。
やってることは違っても、幕末日本や革命前のトルコ、壁が崩壊する直前の東ドイツ、そういう「何かが胎動している、もうすぐこの日常が全て変わる」世界とはこういう感じかもと思いました。
ただラストシーンはびっくりします。あまりの展開に。
リミット
イラクに派遣されたアメリカ人トラック運転手が突然襲われ、気づいたら土中の棺に監禁。さあどうする?というお話。登場人物は1名。あとはライターと携帯電話だけ。95分間、主人公はひたすら電話をかけまくります。
政府はチンタラしてるし、会社は法律を盾にしてくるし、友人は買い物に行っちゃうし、奥さんは留守番電話でどいつもこいつもイライラさせてくれます。ただし主人公の行動は理解できます。ありがちな「突っ込みどころ満載のお馬鹿な行動」はありません。そこはいいところ。しかしラストがひどい。さすがヨーロッパ映画。
よくもまあ、棺の中だけ、登場人物1名だけで90分超も飽きさせず、時間をもたせたなというところは偉いと思いますし、最後に観客を悩ませる謎を投げつけてきて、「もしかして、面白かったのかも」と後を引くように仕向けてくるあたり、実にテクニカルだとは思いますが、純粋なエンタテイメントじゃないです。社会諷刺というべきか。
ピンク・フラミンゴ
いわゆる「世界一下品な悪趣味映画」。ノーカット版で観ました(全然嬉しくない)。
世界一下劣な家族と、その名声を妬む下劣夫婦による下劣な戦い。これが本当に最低で最悪で、汚く、気持ち悪く、意味が判らないバトルに仕上がっています。
同じ悪趣味映画でも「ソドムの市」だと、下品さがある程度物語上の意味がありますが、こちらは本当に訳が分からない。真剣に「何やっとんじゃ?」と思うシーンがいくつもありました。
ただ全編に渡ってシーンがものすごい長回しで撮られているため、こんな下らないことを大真面目にやっているという事実はひしひしと感じさせられます。役者陣はさぞセリフ覚えに苦労したことでしょう。○○ダンスの場面では、本気で「いつまでやっとんねん!!」と叫んでしまいました。
京都みなみ会館のオールナイト上映あたりで、みんなでワイワイ観るにはいい作品かも。まあ、大半の方には無駄な時間になると思いますが、人によっては人生観・価値観が変わるかもしれません。
海角七号
台湾で記録的大ヒットとなった『海角7号』。台湾最南端の町を舞台に、日本統治時代の悲恋と、現在の台湾人青年、日本人女性の出会いを描くお話。
前半の展開は退屈でしんどいですが、台湾の下町や、台湾人の地元気質みたいなものが見えるのは楽しいです。
で、後半に入ると、前半でぐだぐだやってた伏線をまとめ始めて盛り上がってきます。ただ随所に変なところがあって冷める。冷めるんだけれども、まあそんなに嫌いじゃありません。
しかし物語が4分の3ほど過ぎたあたりで、60年以上前に日本人教師の男性が、恋人の台湾人女性にあてたラブレターの一節が読まれます。
そこの「君を捨てたんじゃない、泣く泣く手放したんだ」で、冷静に作品を観るリミッターが外れました。
物語的にではなく、台湾の人がこの物語にこのセリフをなぜ入れてきたかという意図、映画の背景にあるいろんな歴史や心情に心を揺り動かされました。もうそれだけ。そういう作品です。
バトル・オブ・シリコンバレー
映画じゃなくてTVドラマ。邦題は「バトルオブシリコンバレー」。アップルとマイクロソフトの創業物語。東海岸の秀才ゲイツと、西海岸のヒッピー・ジョブズの対比が面白い。
2人に共通するのは、起業時はどちらも貧乏なガレージカンパニーでも、有能な友人がいたこと。IBMを徹底的に敵視するジョブズと、IBMをだましてのし上がるゲイツ。やり方が違っても、根本は同じ。そしてどちらも他人の物を平気で盗む。その様をあっけらかんと描くのがすごい。
ただこの物語を観て、ジョブズに人間的魅力を感じるのは難しい(最終製品があってはじめて見方が変わる)。逆にゲイツはすごく魅力的で好感が持てる。
後のジョブズの演説で「自分で作った会社から追い出されるなんて、信じられなかった」という一節がありましたが、そりゃ追い出されるわ。他人の踏みにじり方、恨みの買い方が半端じゃない(いろんな媒体での証言からして、たぶんどれも実話)。ジョブズは遠くにありて想ふもの、ですね。
キング・オブ・コメディ
昔「タクシードライバー」を観て、いつかこれも観ようと思ったままになってました。
34才コメディアン志望の男が、スターに憧れて執拗につきまとう。ついにはスターを誘拐して「キング」になろうとするお話。彼が何度も妄想するのは「芸がウケる」自分よりも、「売れっ子になって世間にちやほやされる」自分。
自宅で母親にうるさいと言われながら、テープに漫談を吹き込む。それもただネタを吹き込めばいいものを、本物のテレビショー風にBGMやMCを入れたりする。「このおっさん、完全にイカれとるな」とは思うが、普通はその「痛い妄想」で終わるところを、この主人公は「痛い行動」で具体化してしまった。だからその狂気に悲哀を感じてしまう。主人公がスターに憧れる気持ちが理解できるだけに、観ていてつらくなってくる。
そのためラストの「どん底で終わるより、一夜の王でいたい」は泣いてしまいました(よく泣く私)。やはり観てよかったです。
フローズン・リバー
主人公はアメリカ・カナダ国境の1ドルショップで働く二児の母親。夫は金を持ち逃げして失踪。車を盗まれたことをきっかけに、原住民の居留地と凍りついた川を使ってアメリカへ不法入国させる手伝いを始めるというお話。
深い雪に包まれた田舎町。しかしそれは銀白の雪原ではなく、雪解けた泥水のぐちゃぐちゃした、グレーな世界。疲れ切った女のくたびれたタトゥー。錆びた手製のメリーゴーランド。
出てくる人たちは心底の悪人じゃないにしても、ただ愚かしく、「たぶんいつまでたっても、この状況から誰も抜け出せないんだろうな」と思わせる。スタートもゴールもない。地平線の向こうまで何もかもが曇り空。そこそこ楽しいこともあるけれど、振り子のように必ず不幸がやってくる。そんなもんだよ人生は、と達観するにはあまりに澱みきった世界。そんな物語でした。好みが別れると思いますが、面白かったです。
アンストッパブル
冒頭「実話にインスパイアされて作りました」と字幕が出る。無人列車が暴走しちゃうお話。
人物はデンゼル・ワシントン以外の現場職員が全員バカ。しかもバカの自覚がなくて、真剣な顔で偉そうにバカをやるからどうしようもないバカだらけ。あっちもバカ、こっちもバカ。本社から車から線路から上空から、そこらじゅうからバカが大量参戦。バカのミスで事件開始、バカがそれを加速させ、バカが対処するから解決しない。別の場所でもバカがバカやって事態が悪化。
最初の接続作戦、なぜヘリから降ろす? 先頭機関車に乗せときゃ済んでる話だろうが。ラストの「飛び乗り」も同じ。別の職員にやらせんかい。この鉄道会社、職員が5人ぐらいしかいないのか?
実話を持ち出してこのバカさ加減ですから、実物も相当なものだったんでしょう。
ただ「止まらない列車」は映画と相性がいい。「人間はバカである」という悟りさえ開けば楽しめる作品です。
優しい嘘と贈り物
涙もろさでは定評のある私ですが、この物語の「仕掛け」に気づいたのが始まって45分頃(気づくのが遅い)。判ってからは、ラストまでずっと涙腺が壊れっぱなしでした。これはいわば、純愛ミステリーとでも言いましょうか。未見の方は、あらすじなど読まずに観てください。
お話のタイプとしては『きみに読む物語』などと似てます。
原題は「Lovely,still」。これがすごくいいだけに、邦題は惜しい。
恋愛なんて若い時分は燃え上がって当たり前。年老いて枯れきってなお世界でただひとりを求める、それが真の純愛でしょう。人は常に他人に求められること、認められることを欲していて、そして純愛は「君がそこに、ただ存在しているだけで自分は幸せなんだ」ということ。つまり認められること、求められることの究極の姿。だから人はそれに憧れる。いいお話でした。
レッドクリフ Part I & II
これまでNHK人形劇や多くの漫画で日本ナイズされた三国志に触れすぎてきたせいか、画面がほとんどおっさんで疲れました。その上、話がチンタラしていて退屈。パート2は面白いんでしょうか。1回目、寝落ち。2回目、面白くなくて途中で停める。3回目でやっと最後まで観ました。
途中、孫権が「逆らう奴はこうだ!」と机の端っこをちょびっと切るシーンで笑いました。もっと豪快に切りましょうよ。
また曹操の側近たちが周瑜を「音曲にかまけていたような奴が、軍を率いるのか」と侮るシーンがあるんですけど、芸術に卓越していた曹操の横でそんなこと言うのかな?
あとラストの九官八卦の陣。個々の戦闘アイデアが、ブラッド・ピット主演の『トロイ』からずいぶん影響を受けてるなーと思いました(女性ひとりをめぐる戦争になっちゃってる所も)。全体的にはダルい作品でした。
Part Iと変わらず、どうも緊張感が足りない。
蒋幹がらみのエピソードは、もはやギャグ。なんで周瑜からこっそり盗んだ手紙を、その場で音読するんだよ。ホームラン級のバカだ。その後、曹操が蔡瑁と張允を殺せと命じるも、すぐにだまされたと気づく、でも振り向いたら処刑済でしたなんてシーンは、笑うなという方が無理。そもそも周瑜って「君子の戦いだから、汚い真似はできない!」って言ってなかった?
次に笑ったのが、みんなが周瑜にお団子を分けるシーン。古今東西、「食べ物を分かち合う」のは結束を高める意味があるわけだ。で、周瑜は山盛りにさせられたお団子を無理やり一気飲み。すごい(笑)
作品はやはり全体的に間延びしていて、観ているこちらは眠りそうになるか、画面にツッコミを入れるかのどちらか。クライマックスの水上戦闘になった頃には、もうどうでもいい気分でした。
インビクタス/負けざる者たち
南ア大統領、ネルソン・マンデラが27年間の獄中生活で、どれだけの「大戦略」を練ってきたか、それを個々の戦術にどう反映させたかが判る作品。個人的は、これまで様々な「戦略家」を間近に見てきたせいか、マンデラの一貫した「人たらし」たる言動とその意味が「ああ、わかるわかる」の連続でした。
作品としては見事な対比構造。オープニング、一方は綺麗な芝生で白人の子供たちがラグビー、道路を挟んだ一方は荒れ地で黒人の子供たちがサッカーをしていて、そのど真ん中をマンデラが駆け抜けてゆく。作品のモチーフ、そして後に語られるテーマの前提を完璧に表現してました。上空からの視点が多用されているのも印象的で、これまた作品のテーマに通じる。イーストウッドはマジで神がかってますね。
ランボー/最後の戦場
なんだか全編、猪木の「バカヤローッ」が聞こえてくるような作品でした。
途中、ランボーが森の中を激走するシーンがあって、ただ走ってるだけなのに「すげえ……」と思ってしまうのは、やはり僕がスタローン好きだからでしょうか。『ロッキー・ザ・ファイナル』はすごく丁寧に作ってる感じがしましたが、こちらはあえて乱暴(洒落じゃない)に作ってるような。お話は単純で、ぶちかましてあっさり終わります。ほんと「バカヤローッ」っていう感じ。
ファンじゃない人には、つまらない作品かもしれないです。そんな人は、最初から観ないか。
しあわせの雨傘
雨傘会社の社長夫人(カトリーヌ・ドヌーブ)が、倒れた夫にかわって会社運営。それまでジョギングとポエム作りしかさせてもらえず、家族から「飾り壺」扱いだった夫人。そんな彼女が自分の本当の居場所、本当の人生を勝ち取るために紆余曲折。飾り壺の人生、でもそれはいろんなものを受け入れる「大きな器」だった、というお話。
一番面白くなるはずの「会社再建」エピソードがほとんどないのが残念ですが、全体としては、主人公の「実は奔放な性格」ぶりが楽しい。世の男たちは「若い女性を求めてる」なんて言いますが、そうじゃなくて「元気な女性」を求めてるんじゃないのかなあ、なんてことも思いました。
ラストは主人公による「人生は美しい」の大熱唱。ディナーショーみたいで笑ってしまった。
人生万歳!
圧倒的なセリフ量の作品。それがいちいち面白い。
天才だけどバカな男と、バカだけど天才の女。登場人物の誰もが他人の話を聞かない奴ばかりの中、特に聞いてない2人が出会う。
後半の怒涛の展開もいい。なぜなら人は、ハッピーエンドのためなら相当な強引さも受け入れるから。ただそのためには、登場人物に十分感情移入できていないといけない。その点、私は問題ありませんでした。結論としては「人生、どうでもいいよ」と「人生、どうなっても素晴らしいものだよ」の邂逅とでもいいましょうか。
ちなみに最近観た『リトルミスサンシャイン』『ローラーガールズダイアリー』、そしてこの『人生万歳』に共通する点が。どうやら「アメリカの田舎の母親は、娘を地方の美少女コンテストに出場させたがる」ようです。
リトル・ミス・サンシャイン
ヘロイン中毒のエロ祖父、うまくいかない自己啓発オタクの父、一言も話さず筆談ですませる反抗期兄、ゲイで自殺未遂を起こした学者叔父、ヘビースモーカーの母、そして主人公の少女。そんな家族が、主人公の美少女コンテストへ同行する道中で衝突し、和解し、結束し、そして成長してゆくロードムービー。
これまた開始10分で全員の性格が判る作りになっていて、そういう作品にハズレなし! 特に兄がいいキャラしてます。
ラストの展開がどうしようもない(笑)もので、呆れて笑っていつのまにか泣かされる。強くなくても、勝ち組じゃなくても、家族みんなで受け入れて前進するんだという泣き笑いのメッセージ。いい物語でした。
戦場のアリア
G線上……じゃない、戦場のアリア。第一次大戦での実話「クリスマス休戦」を描いた物語。映画のお話自体はあんまり……だが、「Great War」の基礎知識があれば泣ける。
それまで、遠い百年近く前のナポレオン戦争の英雄譚しか知らない若者たちにとって、戦争は運の悪い奴が死ぬ、せいぜい3~4ヶ月の話。ところが大戦が始まってみれば、戦場とは数百メートル続く塹壕の泥に埋まりつつにらみ合い、ただ死ぬためだけに毎日マシンガンに向かって突撃する、何年たっても終わらない地獄のような場所でした。フランスのソンムに行けば、地平線の彼方へと続く墓標の列を見ることができます。そういう背景を知ってる上で、クリスマスの一瞬だけ両軍の兵士たちが「ただの若者」に戻って歌を歌い、酒を飲み、サッカーに興じた、そういう奇跡が実際にあったと判っていれば、これは実に感動的な物語となるわけです。
ローラーガールズ・ダイアリー
DVDで『ローラーガールズ・ダイアリー』を観ました。今さらでしょうが、面白かった。ひとりも悪人はいないのに、ちゃんと人物の衝突があって主人公の「自立」が描かれていく。
うまいなあと思ったのは、主人公の母親が夫と二人っきりだと、キッチンで片膝ついて煙草を吸うというところ。で、主人公がやってくると急いで居住まいを正す。たったあれだけのシーンで、後半の複雑な親心にすごく厚みが増してるように思いました。ドリュー・バリモア(監督・製作・出演)は偉い!
エクスペンダブルズ
私の周囲では不評な作品でしたが、スタローンは脚本家として一流だと思う。だってメチャクチャな展開なのに、そのうえ無理くりオールスターキャストにしなきゃいけないという制限の中、ちゃんと物語が前進していくんだもの。つまり爆発させすぎなどで爆笑することはあっても、主人公の行動に「おいおい、なぜそうなるんだ?」と疑問を抱くことはない。
ちなみに観賞中ずっと、私は「むほほほほ」「おっおっおっ」「よっしゃーっ」と奇声を挙げていました。面白かったけどなー。だめですかね?
デイブレイカー
近未来の地球は吸血鬼社会になってるというSF。血を吸いすぎて人間が絶滅寸前になったので、代替血液を開発してる研究員が主人公。こいつが最初から最後まで眉間にシワ寄せてウロチョロしてるだけで、見事に無能。ぜんぶ周囲の人を犠牲をして切り抜けていく。
ラストの解決法も、よく考えたらみんなを治せるはずなのに自分たちだけ助かって、でもそんな自覚もなく渋いどや顔でエンディング。バカは世界を救わないという教訓か。
でも前半の雰囲気作りは良かったので、雑なB級映画が好きな人におすすめです。
ソーシャル・ネットワーク
DVDで「ソーシャル・ネットワーク」を観た。冒頭10分で主人公の性格や考え方、行動様式が理解できる映画で、面白くない作品はないと思う。今さらだけど、間違いなく傑作だった。
青春を彩るもの、それは失恋、嫉妬、裏切り、別れ。きっと誰もが、二度と戻りたくはないのに、どうしようもなく輝いて思い出されるもの。
ちなみに「14匹のマスを釣るより、1匹のメカジキを釣れってアドバイスするだろ?」への、エドゥアルドの「俺がマスならな」が良かった。こういう切り返し、好きです。
レポゼッション・メン
近未来、人工臓器のローン返済が不可能になると、容赦なく臓器を回収される。つまり合法的(?)な殺し屋の話。「んなアホな……」と思うことが多くて、あんまり面白くなかった。この物語の設定だと、しょっちゅう臓器を抜かれた死体が街に転がってるわけで、それは最早「社会悪(社会の矛盾から発生して、災いを及ぼす害悪)」でしょう。
ただ、これは「悲恋モノ」でもある。もちろんヒロインたるベスのことではない。主人公レミーと、親友フランクのだ。つまりBLとして観るとあら不思議、割とちゃんと楽しめる。BL好きは観てください。
ゾンビランド
昨日観たアレに比べると圧倒的な面白さ。それはキャラクターの行動に無理がないから。バラバラの指向を持つ人物たちが、底流に「家族の喪失」を抱えて、いつのまにか一体化していく。こういうの好きです。殺されてるのに笑えるビル・マーレイは凄いなと思った。あと美人姉妹のやりくちは本当にひどいが、これは仕方がない。男は美女に「だまされる」のではない。「だまされたい」のだ!
借りぐらしのアリエッティ
これの製作中、米林監督は鈴木プロデューサーによってマンションに監禁され、その居場所は絶対秘密だったという。なぜなら宮崎駿が毎日のように「米林はどこだあぁー!!」と探しまわるからである。もし見つかれば徹底的にダメだしをされ、修正され、「宮崎駿作品」となってしまう。『ハウルの動く城』ではプロジェクトが崩壊し、細田守が監督を降板することになった。それを繰り返さないための措置であった。
しかし作品はというと……。スクリプトドクターという職業を、真剣に検討すべきだと思いました。
-
前の記事
台湾旅行2回目(2日目午後) 2011.07.22
-
次の記事
小説家を見つけたら 2011.08.21