トゥヤーの結婚
中国の内モンゴル自治区における少数民族を扱った作品。
「まあ、ドキュメンタリー見るくらいの気分だな」なんて思ってたら、めちゃくちゃ面白かった。
主人公のトゥヤーはすさまじく働く母親で、息子がひとり。
羊を放牧しつつ、毎日水をくみに10キロを往復してる。
夫は事故で下半身不随になり、以来働けない。
しかしトゥヤーもトラックに挟まれた男友達を救おうとして、ぎっくり腰に。
これでは生活が立ちゆかない。
疲れ果てた末、彼女は離婚し、他の男と結婚することにします。
こう書くとどうしようもなく暗い話に見えますが、なんとなく明るい。
悲劇ではありません。
「助けてくれ」と叫び続ければ誰かに届くかもしれない都会と違い、草原には何もない。
とにかく生活できなきゃしょうがねえじゃん、というリアリティが事態を重く見せないのかもしれません。
そこで、トゥヤーが行う決断というのが切ないのです。
離婚はする。
他の男とも結婚する。
しかし絶対に、元の家族は切り離さない。
どんな手段を講じてでも家族を守ろうとするトゥヤー。
主人公を演じる女優さんはそもそも美人なんだとは思いますが、最初は彼女をいかにダサく撮るかに心血をそそいでいるようで、トゥヤーの人格を理解するごとにだんだん美人に見えてくるという仕掛けにもなっているように感じた。
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