会いたくない人に会うということ

会いたくない人に会うということ

僕は日常的に運のいい人間で「嫌な思いをする」ということがほとんどない。
しかしたまには気が重い仕事というのがあって、今日の打ち合わせがそれであった。

数日前から「ああ、もうすぐアレか……」と何度も溜息をつき、今日は午前中、そのことを考えないよう別の仕事に没頭し、家を出る寸前には妻に愚痴りまくっていたのである。

で、件の人と打ち合わせをした。
すると気が重すぎたのか、はたまた次に持ち越すのが嫌だから言いたいことは全て言おうと決めていたのが良かったのか、実際に会ってみると拍子抜けしてしまい、「この人も大変な思いをしているんだな」とか「気が合わないだけで、根はいい人なんだろうな」とか色々感じられるところもあって、別れる頃には心の負債も解消され、とてもとてもスッキリしていたのであった。

人間ちゃんと会って話すといいことあるな、というか話せば分かる人と出会え、しかもちゃんと「話せる」機会を得ているのだから今日も自分は運が良くて何より、という思いを新たに家路に着くのであった。まる。