ダマされるとは奥が深いものである

ダマされるとは奥が深いものである

つい先日、ある人(名前は秘す。A氏とする)から、「これって本物?」と相談された。
あの元ZOZOの「前澤友作」氏からのFBメッセージであった……。

「あなたは特別に選ばれました。登録フォームにご記入ください。私の投稿をチェックしてください」
「入賞おめでとうございます。私から100,000ドルの賞品を受け取りますか」

こんな内容である。私は頭を抱えた。
なぜならA氏のテンションは「これで本物のつもりかwww」ではなく、キラキラした瞳で「オレにもついにこんな幸運が!?」だったからだ。
(以下、私の言葉遣いが丁寧なわりに荒いですが「そういう関係」ですのでご容赦ください)

A「ねえねえ、どう思う?」
私「どう思うも何も……100%偽物ですよ」
A「絶対に!? 絶対偽物って言い切れる?!」
私「言い切れますが」
A「でも10万ドルだよ?! 本物だったらどうするんだ」
私「どうするんだ、ってどうもしません。本物じゃないんで」
A「僕の友達も既に何人か、この人のお友達になってるよ、ほら」
私「だから何ですか。バカの仲間入りしたいってことですか?」
A「バカってことはないだろ。この人、東大出てんだよ」
私「(だから何だよ)じゃあ東大行ってもバカが治らなかったんでしょう」
A「……でも、1%の可能性があるかもしれない。ちゃんと写真も載せてるし」
私「(しつこいなあ)前澤さんがお金を配ってるのは本当でしょう。でも呼びかけたら人はいくらでも集まるんですよ。なんで自分から個々に声をかける必要があるんですか」
A「そりゃ、奉仕の心で……」
私(ダメだこりゃ)

A「ホラ、見てよ。投稿してる写真も本物だよ」
私「本物はTwitterやってるんですから、そこからコピペできるでしょうが」
A「でもなあ。この登録フォームってやつ、アドレス押してもいいかな?」
私「押したきゃ押せばいいですよ」
A「お金取られないよね?」
私「決済しなければいいんじゃないっすか」
A「そっかあ。じゃあしてみようかなあ」
私「ただ決済はしなくても、メールアドレスなんかを入力しちゃったら、『詐欺のカモ』としてリストされますよ」
A「何それ」
私「こういう詐欺は、10万人に声をかけて1人でもだませたら儲かるわけですけど、その10万人の『だませる濃度』を上げれば、より効率的ってことです」
A「そうか……。でもなあ……ホントにホントに本物の可能性ってない?」
私(めんどくさいな)

そう思った私は「前澤友作 偽物」と検索した。一発目にこれが出た。

前澤友作さん「お金配り」連発 偽アカウント急増に注意も

https://news.yahoo.co.jp/byline/okadayuka/20200628-00185524/?fbclid=IwAR1pG0-eshOsHiynsj0XQi6egNZyC0GSFwEeOwMSWhQ_vUcQ69IndSR_Ovg


しかしこれを見せても……なんと、まだ納得しないのである!
人がだまされるというのは、余人が思う以上に奥深いもののようだ。
というか、前澤氏はそもそもフェイブスックのアカウントを持ってないそうだ。
そこまで言って、やっと渋々納得した様子であった。

そして私は疲れた。