「真夏のオリオン」観てきました

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チケットをもらいまして、『真夏のオリオン』を観てきました。
脚本は正直言って「……?」な感じですが、絵的にはこなれてるというか、盛り上がってました。
しかしこの映画を観てると、日本の映画って、もう役者が力入れるようなもんじゃないのかなあ、と悲しい気分になってきました。
いや、主演の玉木宏は今回は滑舌もよく、非常に良かったです。吉田栄作はどんどん良くなってる気がします。
問題は堂珍嘉那。
玉木とは別の潜水艦の艦長役で、つまり帝国海軍の左官クラス。
それが、艦内はともかく、なんで出撃前から無精髭を生やしてるんですか。
純白の海軍軍服に身をつつんで海軍クラブ(?)でお酒飲んでるのに、きったない無精髭。
なんだか、江戸幕府のお偉いがたが七三分けで出てくるような、そんな違和感を感じました。
この「真夏のオリオン」の中で堂珍氏は、主人公・玉木の同期で親友であり、恋人の兄でもあります。映画の上映時間の中でも前半かなりの位置を占める、重要どころですよ。
そんな役なのに、ヒゲひとつ剃って映画に挑めない。
そんなにヒゲ大事か。
もうこの際、髪型は気にしません。
他の仕事のスケジュールも考えたら、髪型に制限をくわえてると、もう俳優をおさえられずキャスティングができなくなるのかもしれない。
でもヒゲはすぐ生えてくるだろうが!!!
この映画の脚本担当は、真夏のオリオン以前には、「ミッドナイトイーグル」や「亡国のイージス」もやってます。
どれも後半、ラストに近くなると話がおかしくなってくる傾向があります。
あと毎回、無理矢理反戦メッセージ入れてくるという。なんなんですか。
そんなんだったら戦争物やらなきゃいいのに。
「戦争」をきっちり表現できてれば、反戦メッセージなんて観客が勝手に受け取るんじゃないでしょうか。
それをむりくり言わなきゃならないってのは、その映画の「戦争」がどこかアホらしいのを、制作側が自分で感じ取っちゃってるからかもしれません。
ピカデリー梅田(ダウンダウンのガキの使いやあらへんでに出てくる爺さん)の怪談話の回で、「怖いだろ~?」と言ってきて笑っちゃうような。
いや、それ言っちゃだめでしょっていう。
今回の「オリオン」では、敵の駆逐艦長がほとんどエスパーなんですけど、最後、なんというかある「お知らせ」が届いて搭乗員たちがワーイ、って喜ぶシーンがあります。
ちょっと喜ぶの、早いんじゃないですかね?
つい一分前まで炎上してた場所で。魚雷の残数、あんたらは知らないでしょ?
それに対する玉木宏に、銃口をつきつけるキャラが登場。
ところがそれを見てるはずの周囲の部下たちが、誰もそれに反応してないっていう。
目の前で艦長殺されそうになってんのに、全員ガン無視。
そしたら銃口向けてたヤツが勝手に、「ククーッ」なんていって泣き崩れてる。
それすら無視。おまえら冷たすぎないか。
ただし邦画というくくりで観れば、全然、全く、非常にまともで面白い映画です。