ヒストリエ4巻を購入

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暑すぎて涼みに入った書店で見つけて、すぐ購入。
アフタヌーンを読んでおらず、いつ出るのか知りませんでした。
今回は備忘として、これから重要になりそうな人物で史実のものと合致しそうな人を、書いておく。

4巻では当初から始まっていた回想、
「なぜエウネメスは故郷カルディアへ帰還している──つまり、外の世界にいたのか」
がようやく終わり、時間軸がエウネメスの現在に戻りかけてくる。

エウネメスはボア村を襲うフィレタイロス家の長男ダイマコスに、知略によって戦勝するが、手打ちとしてやはりサテュラと結ばれることはかなわず、村を出ざるをえなくなる。
このあたりの描写はさすが岩明均で、淡泊な描写でぐっと心にせまるものがあった。
(ケイラに「ばか!!」と叫ばせるあたり、作者は意外と?親切というか、丁寧に描いている。岩明氏本人はたぶん「オレ、普通にマンガ描いてるつもりなんだけど」とか言うかもしれない。淡泊なのはわざとじゃなくて、根っからの作風だろう)

それにしてもやっと回想が終わり、読者としては、これまでさらっと出てきていた重要人物とようやく再会できる。
エウネメスはいわゆる「カルディアのエウネメス」だから、この後彼はアレクサンドロス大王(アレキサンダー3世)麾下の書記官となり、さらに大王死後はディアドコイ戦争のプレイヤーとなる。

エウネメス:
後にテメノス朝マケドニア王国のアレクサンドロス大王に仕える書記官となる。大王死後はカッパドキアを基点にディアドコイ戦争に参加。

アリストテレス:
プラトンのアカメデイアで教師となり、後にアレクサンドロス王子(後に大王)の家庭教師となる。自身も学校であるリュケイオンを設立する。

バルシネ:
ペルシア帝国トロイアス州総督(兄メントル?弟メムノン?どっちだろう。最初はメントルの妻だったが、彼が死んで弟メムノンに相続される形でメムノンの妻になる)の妻。後にアレクサンドロス大王の愛妾。

アンティゴノス:
(たぶん)後のアンティゴノス1世。アレクサンドロス大王麾下の将軍となり、大王死後はアンティゴノス朝をひらく王となるが、セレウコスとリュシマコスに敗れる。

カリステネス:
アリストテレスの甥で、哲学者。後にアレクサンドロス大王の東征に同行するが、ペルシア式跪拝礼に反対し、大王によって四肢を切断されて閉じ込められる。リュシマコスの助けによって自害。

メムノン:
ペルシア帝国の傭兵隊長。後に軍司令官となり、アレクサンドロス大王と戦う。リデル・ハートによると「名将メムノンの死が無ければ、アレクサンドロスの遠征は失敗していただろう」。

テオフラストス:
(作品中、少なくとも単行本1~4に名前は出てこないが、レスボス島の生物研究所にいた不気味なおっさん)
レスボス島生まれの哲学者、博物学者。アカデメイアで学び、アリストテレスの友人。後にリュケイオンの後継者となる。

巻末を見ると2006年1月号~2007年4号掲載分を収録とある。
単行本が出ないわけだ。