乳幼児連れのパリ旅行7(3日め・オルセー美術館)

乳幼児連れのパリ旅行7(3日め・オルセー美術館)

ポワラーヌ

3日めの朝。
小雨の降る中、朝7時からパンの買い出し。
サンジェルマン・デ・プレ地区にある老舗ブランジェリー「ポワラーヌ」本店である。ここは「パリで最も美味い」と言われるパン屋だそうだ。
 

パン・ド・カンパーニュ4分の1とクロワッサンなどを買った。4分の1というのは初めからそのサイズで売っているわけではなく、身振り手振りでやりとりして切ってもらった。
 

パン・ド・カンパーニュ


またポワラーヌを訪れたのは「クリスティーヌ・フェルベール(Christine Ferber)」のジャムを買うことも目的であった。
フェルベールさんはアルザス地方の雑貨屋で手作りジャムを作っていたら大評判となり、今や「ジャムの妖精」とまで言われる天才職人らしい。
生産量が少ないため日本にはたまにしか卸されない。だから日本でも買えないわけではないが、値段が全然違う。
 

ほんとに美味しい。なんで?と思うくらい

オルセー美術館

宿に戻って朝食後、すぐ近くのオルセー美術館へ。少し雨脚がつよくなってきた。
9時頃だが、すでに入口は長蛇の列ができている。何の列かというとチケット購入の待ち行列だ。
 

左が長い長い入場待機列。赤ちゃんを抱いている私たちはすぐに入れてくれた


ミュージアムパスがあれば入場券を買う必要はない。しかし入場列は長く続いていた。
しかし赤ちゃん連れだとすぐに入れてくれる。「赤ちゃん連れで並ばせるのは危ない」という配慮なのだろう。
ありがとう、我が子よ。

館中ではまず手荷物検査があった。
 

また大きな荷物を持って館内をうろうろしてはならず、荷物は全てクロークに預けなければならない。なのでできる限り軽装で行くのがよい。
しかしこの日は雨である。
アパルトマンに置いてある傘を借りてきており、またの着ていたコートだけは預けて入場することにした。
 

クロークに並んで荷物を預ける


これが後でとんだトラブルを生むことになるのだが……。
 

館内はこんな感じ
時計がかっこいい
屋上からはセーヌ川越しにルーヴル美術館が見える
時計台の裏側。オルセーは元々は駅舎だったのである


オルセーはルーブルに比べると小さいし、午前中で見終わってもいいだろぐらいの軽い気持ちであった。
しかし教科書で見たことある!という作品(主に印象派)がこれでもかと並べてある。作品までの距離も30センチくらいで、細い紐が足元に張ってあるだけ。
しかもそれらは「収蔵作品のひとつ」として無造作に展示されているから面白い。いや、ほんとすごいわ。
 

作品までの距離はかなり近い
フランクに社会見学する学生たち

オルセーの展示物

ここからは、自分が、気に入ったものだけ写真で紹介する(館内はフラッシュなしなら写真撮影OK)。
作者名・作品名は記憶で書いている。当たり前だが展示では作者名・作品名を日本語で書いてくれているわけではないのだ。調べればいいのだろうが面倒くさい。
間違ってたら教えてください。
 

セザンヌ「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」
マネの「なんで女だけ裸なんだよ」って叩かれたやつ
ルノワール「都会のダンス」と「田舎のダンス」。どっちがどっちだっけ?
ドガ「14才の踊り子」
フレミエ「龍に勝ったサンミシェル」
ロートレックの何か
ロダン「bellone」
ジュス・ベケット「奈落の底」
寝てたら、どえらいこむら返りを起こした瞬間ではない
ゴーギャン
ゴッホの自画像
ミレー「落ち穂拾い」
アレクサンドル・カバネル「ヴィーナスの誕生」
クロード・モネ「日傘の女」
『風立ちぬ』で、主人公・堀越二郎が菜穂子に出会うシーンにも引用された

オルセー内で昼食をとる

ということで昼12時近くなっても見終わらない。
しかし珠玉の作品群がちっとも楽しくない人が、我が家族に約2名いる……。
「もー、つまんないー」「もー、つやんやいー」「歩きたくなーい」「あゆきたくやーい」と輪唱してうるさい(笑)。
 
こちらも疲れたので、館内のレストランで昼食を取ることにした。
 

レストラン内


単品でも10種類くらいある中で選ぶか、またはセットで「前菜+メイン」or「メイン+デザート」を、それぞれ指定のメニューから選べる。
メインは「ハンバーグパスタ」か「フィッシュ&チップス」だったので妻と私で両方選び、子ども二人はキッズメニューをシェアすることにした。こちらは「チキン&チップス」にジュース、アイスクリーム付き。
最終的な絵面はポテトだらけ。
 

ただ、どうもカフェやバーなどを覗き見るに、フランス人は芋ばっか食ってるように感じる。もしかすると彼らの主食はパンよりジャガイモなのかもしれない。
ちなみにジャガイモは元々は南米の原産で、ヨーロッパへやってきたのはいわゆる「大航海時代」である。
一説によると、当初は食用ではなく花を観賞するために持ち込まれたものらしい。根っこに芋ができることは知られていたが、少なくとも長い間「豚のえさ」であり、人間が食べるものとは考えられていなかった。
それが今や、豪華なレストランではるばる極東からやってきた観光客が嬉しそうに頬張っているのだから不思議なことではある。

で、私たちが入った直後から混み出して満席になり、長蛇の列。
今日も運がいい!

ちなみに値段(24.5ユーロが大人、7.9ユーロがお子さまメニュー)。
◎ 1 Menu Enfant    7.9ユーロ
◎ 1 Menu Midi EN/PL 24.5ユーロ
◎ 1 Menu Midi PL/D  24.5ユーロ

食事後、再び子どもたちをなだめながら鑑賞を続行する。
その前に何もない休憩室みたいになっているところで、子供たちがうぉりゃーとうっぷんを晴らすかのように走り回る。

職員はいたが、ニコニコ見ているだけで怒られる気配はない。
基本、こちらの人々は子供にはみんな優しいなあと感じる。
 

こういう部屋が「ご自由に」みたいになっている。すごい

クロークでトラブル

午後15時頃。もうへとへとになって帰ることにする。クロークでコートと傘を受け取らなければならない。
入場列は全く途切れていないので、クロークは「預けたい人」「荷物が欲しい人」で大混雑していた。
 
妻と下の子には外で待ってもらい、上の子と2人で並ぶ。
10分以上待ってようやく自分たちの番。預けた時にもらったチケットを係員に渡す。
すると係員がコートだけを渡してきた。
瞬間、チケットをクシャッと丸めてさっさと消えてしまう。
えっ、傘は!?と思ったが、改めて傘を持ってきてくれる可能性に賭ける。
……が、来ない……。
 

クローク。チケットを渡した人が出てこない


仕方ないので忙しそうにしている別の係員に、「my umbrella still?」「two! two umbrella!!」などと合ってるかどうか知らんが声をかけた。
すると係員が係員を呼び、当初対応した男性があらわれ「マジか」「何色だ?」などと聞いてくるが、そう上手く答えられるわけではない。

結局カウンター内に呼び込まれ、保管場所で傘を探す羽目に。
その間も別の係員からは「おまえチケットはないのか?」とか言ってくる。いやいや、あるわけないだろ……。

これも違う、これも違う、と探してようやく探し当てた。しかしそれが本当に私たちの傘である証拠は、もうない。
大忙しのクローク内で係員同士が相談し始める。
それを見た別の係員が割り込んで「おまえチケット見せろよ」とか言う。いや、だからないっつーの。

結局、「この〈平たい顔族〉の男は信用できる奴だ」(なんて言ったか知らんが)ということで傘を受け取った。
カウンター内から出る際、クローク係全員から「Au revoir!」と笑顔で手をふられて退出する私と息子。変な感じ(笑)。
(つづく)

総目次

01 0日め(準備)
02 1日め(出発)
03 1日め(シャルル・ド・ゴール空港でロストバゲージ)
04 1日め(買い出し……モノプリ、エリック・カイザーなど)
05 2日め(凱旋門・シャンゼリゼ通り)
06 2日め(セーヌ川散策〜夜のルーヴル)
07 3日め(オルセー美術館)
08 3日め(サント・シャペル)
09 3日め(バトー・ムーシュ)
10 4日め(ラスパイユ)
11 4日め(ヴェルサイユ宮殿)
12 4日め(チュイルリー公園)
13 5日め(シャン・ド・マルス公園、クレール通り)
14 5日め(アンヴァリッド、ソルボンヌ大学)
15 5日め(進化史大陳列館)
16 5日め(サンシュルピス教会〜夜のエッフェル塔)
17 6日め(最終日の買い物)
18 レストランケイ(Restaurant KEI)の話